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2010年08月08日

驕る平家は久しからず

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toystory3.gif

今夏のおすすめ映画は、ダントツでCGアニメーション映画「トイ・ストーリー3」だ。
ピクサー・アニメーション・スタジオ(PIXAR)が製作し、ウォルト・ディズニー社が配給するCGアニメシリーズは、今作品も期待を裏切らない出来だった。

カールじいさんの空飛ぶ家」、「ウォーリー」といった大人の観賞にも耐えうるすぐれたCGアニメーション映画を作り続けるPIXARは、iPhoneやiPadなどの革新的なデジタルデバイスを開発し躍進を続けるApple社の創業者、steve jobsが創業したCGアニメーションスタジオである。steve jobsはかつて、創業したApple社をAppleの役員達から職を奪われ、Appleを追われた。そして、ルーカスフィルムのアニメーション部門を買収して立ち上げたのがPIXARだ。(現在、steve jobsはAppleのCEOとして復帰)

「トイ・ストーリー」シリーズはPIXARが初めて手掛けた長編CGアニメーションであり、公開当時、CGの描写力、ストーリーの楽しさなどにおいて観客をあっと言わせた。その後、ウォルト・ディズニー社に買収され、現在に至る。PIXARはウォルト・ディズニー社に買収されて以降も、さらに優れた作品を生み出し続けている。

いくつかのPIXAR作品を観ているとわかるのだが、いかに観客を笑わせるべきか、いかに観客にホロリとさせればよいか、いかにすれば作品を観終わった後、観客に「何か」を考えさせることができるかを、よく練られて製作されていることがわかる。作り手のエゴではなく、観客の評価が高い作品を生み出した上で、きちんとしたマーケティングもされているのである。

それに比べると、わが日本のアニメスタジオ、スタジオジブリの今夏の作品はどうか。メディアでは大ヒットと謳うが、観客動員数が必ずしも評価とは結びついていない。大ヒット(観客動員数)は、CMとのタイアップ、配給に参画しているテレビ局などが放送する特別番組などのプロモーション活動などによる成果である。

スタジオジブリは2003年の「千と千尋の神隠し」での米国アカデミー賞長編アニメ部門受賞以来、送り出す作品の評価はどれも芳しくない。興行成績自体はいいのだが、作品自体の評価は低迷している。陰鬱な内容で誰もが面白くないと言う「ゲド戦記」にしろ、母親を名前で呼び捨てにするバカ息子が登場する低年齢向けの人面魚映画「崖の上のポニョ」など、首をかしげたくなる作品ばかりだ。

スタジオジブリは米国アカデミー賞受賞以来、当時低迷していた日本映画界を救済するアニメ製作会社として、邦画界、いや日本国民の期待を一身に背負ったが故、気負い過ぎてしまっているかのようにも見える。

この一連の作品についての評価の低迷は、アニメの巨匠によるこんな言葉によって焦りとなって表れている。

■宮崎駿「iPadは自慰行為そのもの」 「iナントカじゃ大切なものは手に入らない」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100713-00000003-jct-sci


言わんとしていることはわかるのだが、新しいものを受け入れられない年寄りの僻みとも受け取れる。

「本当に大切なものは、iナントカじゃ手に入らない」
「仕事で使うものは鉛筆と紙、わずかな絵具があれば充分」

「iナントカ」という言い方は、いかにも自分はiPadには興味がないと言いたげなのはわかりきったことであるし、鉛筆と紙、わずかな絵具だけではアニメが作れないことを知っている上でのこの発言は、新たなものの登場に対する嫌悪、それを活用することができないアニメの巨匠自身の焦りにしか受け取れない。子供たちに夢を与えるアニメ製作会社のトップがこうした発言をしたことはかなりショッキングなことだ。「iPadは自慰行為そのもの」であるならば、スタジオジブリは少女が主人公の作品ばかり公開する、ロリコンアニメ製作会社であろう。

「あなたは消費者になってはいけない。生産するものになりなさい」との言葉で結ぶが、このアニメの巨匠の発言は、iPadを使って生産物を製作するクリエイターだけでなく、多くのクリエイターの逆鱗に触れ、呆れさせたことだろう。もう金輪際、スタジオジブリの作品は観ないと言う人もいるのではないだろうか。ネットで検索すると、アニメの巨匠の発言を批判するブログで溢れかえっている。
ところで、iPhone/iPadアプリケーションには、今夏公開のスタジオジブリ最新作「借りぐらしのアリエッティ」とのタイアップアプリ「アリエッティのお庭パズル」というアプリがリリースされており、アニメの巨匠との発言との矛盾に笑わざるを得ない。AppStore上のアプリのレビュー欄にも批判が殺到している。


日本ではスタジオジブリに代わる新たなアニメの勢力が台頭してきている。世代交代のはじまりである。
先日もテレビ放映された「サマー・ウォーズ」はエンターテイメント性、メッセージ性、現代描写において、よく出来たアニメ作品だった。

サマーウォーズのレビュー

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そして、「トイ・ストーリー3」には、オモチャのキャラクターとして、スタジオジブリの作品「となりのトトロ」のキャラクター、トトロが脇役として登場している。もちろんこれはスタジオジブリ作品へのリスペクトだろう。エンドクレジットには、Special Thanksとして、"Hayao Miyazaki"の名がある。

となりのトトロ 大トトロ 特大


PIXAR作品では、毎回本編の上映に入る前に5分前後の短編が上映されるのだが、「トイ・ストーリー3」上映前の短編では、「古いしがらみや固定観念を捨てて、新しいものを受け入れよう」とのメッセージを伝えている。

コンピュータを使って新たな技術を取り入れ続け、ストーリーだけでなく視覚においても観客をあっと言わせ続ける製作スタジオと、従来通り、セル画を1枚1枚書いてアニメを製作するスタジオとの違いということもあるが、製作のトップにいる人物の姿勢のこの違いが、評価の高い作品を送り出すことのできるスタジオと、そうではないスタジオの差だと言えよう。

クリエイターの立場から見て、PIXARからもスタジオ・ジブリからも学ぶべきことは大いにある。ただし、スタジオ・ジブリからは反面教師として学ぶことができる。


スタジオ・ジブリには謹んでこの言葉を贈る。

muska.gif
ムスカ:スタジオ・ジブリ作品「天空の城ラピュタ」のキャラクター




あの頃のジブリ作品は良かったのにな・・・(遠い目)
 
 





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posted by しん at 12:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | つぶやき はてなブックマーク - 驕る平家は久しからず
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