掲載している記事、イラスト、画像など、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます。
Copyright (C) レビュログ☆リターンズ All rights reserved.  ゆっくりしていってね!!!(免責事項)



2009年11月07日

共同体の基礎理論

HOME書籍 > この記事

共同体の基礎理論 (岩波現代文庫―学術)

共同体の基礎理論 (岩波現代文庫―学術)」を読了。

自分で事業をやっていると、収益の伸びや事業規模の拡大に伴ってやることが増え、一人でやるには限界がやってくるのがわかる。

そこで誰か強力なブレーンを迎え入れて臨むということが必要となってくる。いわゆる組織化だ。その前に、事業組織とはなにか、共同体とはなにか、という本質を問い理解する必要性が出てくる。

本書は「共同体」の成り立ちと解体を世界史になぞって解説するものだ。共同体は共産主義や社会主義とも読み替えられる。資本主義が発展するに伴い、「共同体が解体」されて崩壊していった経緯を示している。

「共同体」といえば、最近は「東アジア共同体」なる言葉が注目されているが、さてどうなるものか。「友愛」という名のもとに特定アジアの国だけが利する共同体とならないことを願う。

資本主義の終焉などと言われているが、過剰な市場原理主義が批判されているのであって、資本主義に基づく経済はこれからも続く。共産主義や社会主義がうまくいかなかったことは世界史が証明している。従って、共同体という発想ではなく事業経営するという発想でないと事業をうまくまわすことはできないのだと感じた。

規模を拡大して事業経営するためには、組織を組むことが必然となる。
事業組織とはトップに社長や参謀という役付けの人物がいて指揮をするものだが、先日読んだ「成功は一日で捨て去れ」に書かれていたように、社長がふんぞり返ってただ指示をするのではあってはならない。社長が現場に踏み行って、社員と一緒になって考え、行動するものでなくてはならない。社長にとって社員(部下)は事業パートナーだ。単なる将棋の駒でも歯車でもない。逆に、社員も自分でその事業を経営しているという思考を持って行動しなければ事業の継続は困難なものとなる。いわば全員経営だ。


共同で何かをやろうと発案する者には、2つのタイプがある。

ひとつ目は、一人でやるには事業規模が大きすぎて手に負えないのでパートナーとともに事業運営しようというものだ。事業組織とはひとりではできないことを複数人で行うことにより達成させるために組織される。役割分担をし、それぞれの担当をこなしながら、事業全体を把握する。自分の担当箇所だけよければよいという部分最適ではなく、事業全体の全体最適を考えて行動することによって成果は向上する。通常の起業、事業運営はこれが該当する。

ふたつ目は、自分1人ではモチベーションが持たないとか、めんどくさがりな性格を持つが故に「共同で」立ち上げようと提案して持ちかける者だ。あるいは単なるネットワーキングで繋がりを持っていることに安心するために持ちかける。自分は口だけ動かして手は動かさず、実質的には何もやっていなくても、他の誰かがやってくれれば、自分もやっているかのようには見える。なんせ「共同体」なのだから、自分はやっていなくても他の誰かがやっていれば自分も加担しているという言い訳ができるからだ。
結果、怠ける人物がいることによって、他の共同運営者にも怠ける者の真意「本当は他人に任せて自分はラクをしたい」という意思は伝わり、事業は何も進まなくなる。あるいは本来の目的とはまったくそれたことを各自バラバラに行うようになるか、ごくたまに動きがでて活動が継続しているかのように見えるだけとなる。そうした事態に危機感を抱いて共同運営者間で指摘し合い改善を促す者もいないと言うのであれば、そうした事業は半年どころか3ヶ月も持たないだろうし、成果も出てこないので運営する意義も意味もない。

これを回避するためには、共同運営の発案者(言い出しっぺ)がリーダーとなり主導権を握り率先して事業運営に当たることだ。文字通り共同運営者の先頭に立って「率いる」のだ。発案はしたけれど自分は裏方でいいというのは他者依存でしかなく無責任だ。発案者自らが率先して活動することにより参加した他の共同運営者にも熱意は伝わり、リーダーに人もついてくるようになる。

経営という大それたものではなくても、小さなプロジェクトであっても、それは同じだ。経営やプロジェクトは、地道な作業の積み重ねの継続で成果を出すことができる。プロジェクトを立ち上げたことで何かを成し遂げた気になっているようでは本末転倒だ。

事業とは継続して成果を出すことが目的であり目標である。



以前読んだ「仕事ができる人は『負け方』がうまい」というビジネス書に「ビジネスに友人関係を持ちこむと失敗する」という旨の記述があったが、これも上記に通じる。
■仕事ができる人は「負け方」がうまい
http://review-returns.seesaa.net/article/128789610.html
友人同志でビジネスをやるのは「ビジネスごっこ」をやっているのに過ぎないようにもみえる。和気あいあいな雰囲気だが、そこにビジネスをこなす上での厳しさはなく、そのために得る成果は中途半端なものとなる。それは、友人同士であるが故に決め事や責任範囲が曖昧なものとなり、数値や期限の目標を課さず守らず省みるということをしないからだ。いくらビジネスチームやそのリーダーを気取っても、口は出すが実行力が伴わず所定の成果を出さないのであれば、それはビジネスをやっているとは言い難い。


やはり「共同体」という意識では解体し崩壊するのが運命のようだ。
 
 
 


タグ:書評



ブックマークに登録 >> ブックマークに追加する
posted by しん at 10:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍 はてなブックマーク - 共同体の基礎理論
"応援ポチッ"などの意味のないコメント、宣伝、SEO目的と類推されるコメントは削除します。

この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。